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Vol.010『漫巣窟の懲りない面々 第五話』
- 遊人
- 2019年5月10日
- 読了時間: 1分
更新日:2021年5月6日
上京してまだ数ヶ月の頃、唯一完成させた原稿を少年画報社へ・・・
持ち込みに行くと「M先生がアシスタント募集しているから行ってみない?」
と少年キングの編集長が勧めてくれ住所と電話番号のメモをもらった。
(アシスタント!?プロの勉強ができる。ワクワク・・・)
数日後、ボクは横浜のとある駅に降り立っていた。
M先生の御自宅は庭無し門もなく、道路からいきなりの玄関があるような箱型のこじんまりした一戸建てであった。
M先生の最初の一言にボクはブッ飛んだ。
「うち・・・安いよ!」
「うちのアシスタントみんな親から仕送りしてもらいながらやってるんだ」
「いつから来れる?」
その後、先生はアシスタントさんたちがいる仕事部屋へ案内してくれた。
「ちょっとここで待ってて・・・」と先生がいなくなると6畳くらいのスペースに3人のアシスタントさんたちが黙々と机に向かって作業をしていた。
すると何やら妙な音が・・・「プスッ!」「プスッ!」
机の前にある発泡スチロールにGペンを突き刺しているではないか!
(何してるの?ストレス解消?)
想像するにペンについたインクの汚れを拭き取るかわりに刺しているようだった。
一人のアシスタントさんが言った
「あ~~~ようやくオレ、ここから逃げられる!」
つづく